いくつかの名曲は使用されるコードが少ないことで知られています。以下はその中からいくつか例を挙げます。
洋楽編
- U2 – With or Without You
コード進行: 主に D – A – Bm – G
解説:
「With or Without You」はU2の代表曲で、シンプルながらも深い感情が込められた曲です。D – A – Bm – Gのコード進行が繰り返され、独特の疾走感と情熱が感じられます。歌詞は愛と別れに焦点を当て、その情熱的なメロディと共に、多くのリスナーに感動と共感を与えました。
- Bob Marley – No Woman, No Cry
コード進行: C – G – Am – F
解説:
「No Woman, No Cry」はボブ・マーリーの代表曲で、ジャマイカのリーガエの名曲として知られています。C – G – Am – Fのシンプルなコード進行が、ボブ・マーリーの伝説的な歌唱と共に、リラックスした雰囲気を醸し出しています。歌詞には彼の青春時代の思い出が綴られており、その切なさと温かさが共感を呼び起こします。
- Adele – Someone Like You
コード進行: A – E – F#m – D
解説:
「Someone Like You」はアデルの感動的なバラードで、簡素ながらも力強いメロディが印象的です。A – E – F#m – Dのコード進行が曲全体に優雅な雰囲気を与え、アデルの力強く感情豊かな歌唱が歌詞の切なさを一層引き立てています。別れや失恋に共感する多くのリスナーに愛された曲です。
- Jason Mraz – I’m Yours
コード進行: G – D – Em – C
解説:
「I’m Yours」はジェイソン・ムラーズによる陽気でポジティブな曲です。G – D – Em – Cのシンプルなコード進行が、リラックスした雰囲気を醸し出しています。歌詞には愛と解放感が満ちており、アコースティックなサウンドと共にリスナーに楽しさと希望を届けました。
邦楽編
日本の曲でも、シンプルながら印象的で愛される曲はいくつかあります。以下はその中からいくつか例を挙げてみます。
- いきものがかり – さくら
コード進行: C – G – Am – F
解説:
「さくら」はいきものがかりによる日本の代表的な楽曲の一つです。シンプルで美しいメロディと歌詞が特徴で、春の桜をテーマにした楽曲です。コード進行もシンプルでありながら、その繊細で感動的な雰囲気が聴く人の心に残ります。いきものがかりの繊細なボーカルと共に、日本の四季折々の美しさを感じさせる楽曲となっています。
- 米津玄師 – Lemon
コード進行: G – D – Em – C
解説:
「Lemon」は米津玄師による感動的なバラードで、日本国内外で大きな成功を収めました。シンプルなコード進行がメロディの切ない雰囲気を引き立て、歌詞は愛と別れをテーマにしています。米津玄師の深みのあるボーカルが、聴く者の心に深く響く一曲となっています。
- BUMP OF CHICKEN – プラネタリウム
コード進行: (主にAメロ) D – A – Bm – G
解説:
「プラネタリウム」はBUMP OF CHICKENによるエモーショナルな楽曲です。特にAメロではD – A – Bm – Gのコード進行が繰り返され、心に迫る情熱的な雰囲気を醸し出しています。歌詞には夢や希望、人生の旅路についてのメッセージが込められており、バンドの力強い演奏と共に感動を呼び起こす楽曲です。
- 中島みゆき – 糸
コード進行: Dm – G – C
解説:
「糸」は中島みゆきの代表曲で、シンプルながらも力強いバラードです。Dm – G – Cのコード進行が曲全体に温かい雰囲気を与えており、中島みゆきの深い歌唱力が歌詞のメッセージを引き立てています。糸で結ばれた人々の物語を歌ったこの楽曲は、多くのリスナーに感動と共感を届けました。
以上の楽曲は、コードが少なくシンプルですが名曲に値する楽曲ばかりです。
たくさんのコードや進行を覚えるに越したことが有りませんが、初心者のうちは少ないコードを覚え、定番のコード進行だけでも素晴らしい楽曲が制作できるということを理解できれば、初めて作る曲も割とスムーズに作ることができるのではないでしょうか。
次に、中島みゆきさんの糸を例に書いてみます。何故、糸を例にするのかというと、基本のCメジャーキーの曲だからです。
幼稚園の時や小学生の時に、音楽の授業で自然と耳にし、習っていたのが基本のCメジャーキーです。ドレミファソラシドです。童謡です。
糸は、サビ(楽曲で1番盛り上がる場所)で転調(キーが上がる)しますが、シンプルなので転調が理解しやすくです。
中島みゆきの「糸」のコード進行は以下の通りです。
イントロ:
• Dm - G - C - Dm
• Dm - G - C - Dm
Aメロ:
• Dm - G - C - Dm
• Dm - G - C - Dm
サビ:(転調部分)
• Bb - F - C - Dm
• Bb - F - C - Dm
Aメロ (繰り返し)
• Dm - G - C - Dm
• Dm - G - C - Dm
サビ (繰り返し、転調部分)
• Bb - F - C - Dm
• Bb - F - C - Dm
インストゥルメンタル:
• Dm - G - C - Dm
• Dm - G - C - Dm
サビ (繰り返し、転調部分)
• Bb - F - C - Dm
• Bb - F - C - Dm
アウトロ:(転調部分)
• Bb - F - C - Dm
• Bb - F - C - Dm
「糸」は力強いバラードで、Dm – G – Cのコード進行が曲全体に温かく切ない雰囲気を与えています。特にサビではBb – F – C – Dmのコード進行が感情豊かな盛り上がりを作り出しています。
「糸」のサビ含む転調部分と書いたところでは、Bb(B♭メジャー)から始まります。この部分で転調が行われており、それまでのCメジャーキーからB♭メジャーキーへ変わります。この転調がサビにおける感情の高まりやドラマチックな雰囲気を演出しています。
CメジャーキーからB♭メジャーキーに転調ということは、キーが1つ上がっています。具体的に言えば、CメジャーキーからB♭メジャーキーに移ることで、全ての音が半音上がり、キーが変わります。
転調は、サビなどでどの楽曲にもあると思います。
作曲において、Cメジャーキーで基本的なアイデアを構築し、その後キーを変更することは効果的な手法です。以下にその手順を説明します。
1.基本のアイデアをCメジャーキーで構築する。
• 最初にメロディやコード進行を考える際、Cメジャーキーは音楽の基本として広く使われています。シンプルなコード進行やメロディをCメジャーキーで構築しましょう。
2.音楽の雰囲気や感情を検討する。
• Cメジャーキーでの基本的なアイデアができたら、曲に欲しい雰囲気や感情を考えます。もし感情の高まりやドラマチックな変化が必要な場面があれば、キーの変更が効果的です。
3.転調先のキーを選定する。
• 転調先のキーを選ぶ際には、感情や雰囲気に合ったキーを探します。通常、転調は関連キー(関連するメジャーキーや短調キー)に行われることが多いです。
4.転調に合わせて全ての音を移動させる。
• 転調先のキーが決まったら、曲中の全ての音(メロディ、コード、ハーモニー)を新しいキーに合わせて移動させます。これにより、曲全体が新しいキーに適応されます。
5.変更点を強調する。
• キーを変更することで生まれる変化を強調しましょう。例えば、新しいキーでの和音の響きやメロディの表現を工夫することで、聴衆に印象を与えることができます。
この手法は、特に感情の変化やドラマチックな瞬間を引き立てる際に効果的です。キーの変更は、作曲家が楽曲に深みや表現力を与えるための重要な手法の一つです。
例えば学校で習ったピアノの白い鍵盤の音、Cメジャースケールでメロディを組み合わせて作曲にチャレンジしてみましょう。
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